ハマイヌビワ Ficus virgata (クワ科 イチジク属) |
奄美の加計呂間島、海岸林の中で見慣れぬ常緑の葉の低木が、半ばツル植物のように寄りかかって生育していた。他の個体を探して果実を確認することができた。常緑のイヌビワだな!というのが初対面時の印象。海岸近くの隆起サンゴ礁でよく見られ、石垣などにも生育する。
細く伸びる枝の葉と果実を付ける枝の葉は形が違い、別々に見ると同じ植物とは思えない。光を求めて伸びる枝は細く、長くなると垂れ下がる。このような枝につく葉は、基部で広く、先端にうつるに従って、次第に細くなる。葉は枝の下側が顕著に広い。このような左右不同の葉は複葉の小葉でよく見られる現象で、細長い枝に多数の葉を並べることへの対応策であろう。葉の長さは幅の3倍程度。
果実の付く枝の葉は、基部が最も広い楕円形で長さは幅の2倍程度。十分に日光を得ることができると円満な葉になるのであろう。 熟した果実は食べることは可能。果実の熟したときの色については、緑→赤→黒に変化するとの記述や雌株が赤、雄株が黄色との記述もある。またの機会に確かめてみようと思う。
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