メコノプシス・プニケア Meconopsis punicea (ケシ科 メコノプシス属
 中国の四川省、岷江源の草原で赤い花のケシに出会った。海抜は3400mほどと思う。メコノプシス・プニケアは多年草であり、花は下を向いて咲いていた。花季節は6〜9月とのことで、花茎の高さは60cmほどもあった。葉はすべて根生葉であり、長さは30cmほどでロゼットを形成している。全体に剛毛があり、触感は実に悪い。やや湿った草原に生育していた。付近にはヤクの糞が多数あったがヤナギ類やキンロバイの低木が点々とあり、放牧圧は強いとは思われなかったが、おいしい草であれば即座に食べられてしまうはずである。食べられた痕跡がないのは、毛深いことだけではなかろうと思う。毒々しいほどの鮮やかな赤い花は、有毒であることを顕示しているのではないかと思うがどうであろうか。
 Flora of China では、明るい低木草地、湿地などに生育し、中国での分布は2800から4500mとのこと。ヒマラヤやカムチャッカに関するHPにも生育の記述がある。

 昔、岷江(みんこう;ミンジャン)を船で調査したことがある。岷江は長江の支流であるが、支流といっても省都である成都付近では大きな船が通行できる大きなかわであって、日本とはとてもスケールが違う。懐かしい思い出であるが、今回はその源流にたつことができた。
メコノプシス・プニケア Meconopsis puniceaメコノプシス・プニケア Meconopsis punicea
花の内部若い果実
稔った果実毛が多い茎と葉
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