ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana L. (ヤマゴボウ科 ヤマゴボウ属)



 ヨウシュヤマゴボウの名は、西からきた類の山牛蒡であり、アメリカヤマゴボウとも呼ばる。北アメリカ原産の帰化植物であり、草丈は1.5mほどになる大型の植物である。放棄畑などでは大きく成長するが、やせ地でも結構成長し、高さ20cmほどの小さな個体でも結構立派な果実をつける。このような小型でもまずは子孫をのこそうという戦略は、帰化植物としての資格十分である。



 有毒植物に分類されており、若葉をおひたしにして食べたりすると下痢・嘔吐・ジンマシンなどの軽度の中毒症状が出るという(硝酸カリやサポニン)。有毒であることは知っていたが、先般イタリアの植生学者が果実を食べたことがあるといって実を口にした。みんなで止めたが食べてしまった。調べてみると果実は毒ではないとのこと、納得である。
 葉は食べられたくないが、果実は無毒であり、鳥さんに食べられて遠隔地に散布していただこうという戦略であろう。



 この果実は潰して水に溶くと美しい赤紫色の色水となる。子供の頃、女の子がままごとでこの果実を使って色水を作っていたのを思い出す。ブドウジュースの役目だったのだろうか。英語ではインクベリーと呼ばれ、確かにインクとしての機能はありそうである。




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