コヤスノキ Pittosporum illicioides (トベラ科 トベラ属)
 コヤスノキは分布が限られた希な常緑低木で、岡山県の東部から兵庫県の西部にかけての比較的限定された地域にのみ生育する。しかし、中国大陸や台湾にも分布しており、日本が大陸と繋がっていた古い時代の生き残りであると考えられる。社寺林に生育しているほか、二次林にも点々と生育が見られる。樹高は3m程になり、一見するとアセビのイメージがある。葉は長さ5〜14cmで、葉の中心から葉柄にかけてはくさび形に狭まり、葉の先端は尾状になって鋭尖形。全縁でうねる。表面は無毛で光沢があり、裏面は中脈にのみ毛がある。花は5月に咲き、淡黄色で花弁は5枚。果実は秋に熟し、トベラと同様に裂開して中から赤い種子がのぞく。
 コヤスノキという和名は、子供の安らかな成長を祈る意味・・・・と書きたいが、よくわからないらしい。同属のトベラが魔除けに使われるので、コヤスノキも魔除けでしょうか?
岡山県赤磐郡佐伯町丸山 花田親兵衛邸に植栽されたもの(2001/10/27)コヤスノキの果実
コヤスノキの葉(上:表 下:裏)裏面の拡大


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