ボントクタデ Persicaria pubescens (タデ科 イヌタデ属
 ボントクタデは湿地に生える1年草。河川よりも水田やため池の周囲で見かけることが多く、より止水環境を好むと思われれる。本州から琉球に分布し、国外では中国・マレーシア・インドにみられる。茎は高さ1m程度になり、多くは伏せ毛を散生する。葉には短い柄があり、両面の脈上に伏せ毛があるほか、凹んだ腺点が散生する。葉の表面中央に八の字状の黒斑があるとされるが、黒斑の色の薄い株や、黒斑がない株も多い。托葉鞘は筒状で基部に伏せ毛があり、筒部の半分の長さの縁毛がある。花は9月中旬から咲き始め、秋の終わり頃まで目にすることが出来る。垂れ下がった長い花序に紅色の花をつける姿は、遠目から見ても本種と認識できる。花のない時期でも葉を口にすると、伏せ毛の感触で、よく似るヤナギタデとは明瞭に区別できる。
ボントクタデの花序ボントクタデ
ボントクタデの葉托葉鞘には縁毛がある花は紅色で垂れ下がる

画像・文章:森定 伸
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