ヒメツルソバ Persicaria capitata (Buch-Ham.) H. Gross (タデ科 イヌタデ属
 ヒメツルタニソバはヒマラヤ原産の常緑多年生(半常緑)の草本。温暖な地方では一年中開花している。冬の冷え込みが厳しい地方では、一年生草本になり、種子により繁殖させる。石垣などによく生育するようで、最初に見たのは高知市の水路沿いの石垣であった。この写真も石垣であり、ちょうど石垣イチゴのように、石が南向きの太陽熱を吸収し、冬季もあまり冷え込まない場所に生育していた。
ヒメツルソバ Persicaria capitata
ヒメツルソバ Persicaria capitataヒメツルソバの花序ヒメツルソバヒメツルソバの葉
 英語名はBaskets of bubbles、 Pink bobbles、 Pink knotweed、 Pink-head knotweed、 Japanese knotweedなど。bubbleは泡であるから「泡のかご」、bobbleは頂部に玉飾りをつけた毛糸の帽子(ボブルキャップ)だそうで、花はピンクの深い毛糸の帽子をかぶっている子供のイメージがある。knotwedをサーチすると、ミチヤナギやイタドリが出てくる。knotは結び目や節の意味なので「節がある草」葉毎に節があるタデの仲間ということになる。

 ヒメツルソバは一年中花を見ることが出来、特に種子を形成して茶色に熟れてしまう状況は見られない。注意してみると、葉の上にたくさんの稔った種子が落ちている。この種子は花弁(本当は顎)に包まれたままであり、手のひらで揉んで見ると、黒色に熟した種が含まれている。つまり、常につぼみが出来て、花開き、種子を形成して落下しているのだが、つぼみの色も、花弁(顎)の色も、受精して種子が形成されていても花弁状の顎がそのままの色で種子を包んでおり、そのままの状態で落下しているわけであった。この仲間の花期が長いと思えたのも、このような仕組みであった。
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top