ヤナギタデ Persicaria hydropiper (タデ科 イヌタデ属



 ヤナギタデは北海道から南西諸島に分布し、北半球に広く分布する1年草。砂質〜砂礫質の河原に生育し、新しく形成された砂州で群落を形成する。9月の終わり頃から10月にかけて長い花序を形成し、秋には紅葉して美しい。晩秋の河原では、この紅葉でヤナギタデの存在が容易に確認できる。葉は細長く、その形をヤナギの葉に例えたのが和名となった。ヤナギタデは全草が辛い。
ヤナギタデヤナギタデの葉
ヤナギタデの花序紅葉し始めたヤナギタデの群落
タデ(紫色の双葉)が乗る刺身
 単にタデ(蓼)といえば、このヤナギタデを指す。その辛さ故に川魚などの香辛料として使われてきた。双葉の頃から辛いので、この味で同定が可能である。まだ花の咲いていない時期の河川調査では、タデ類の同定で舌がしびれてしまうこともある。このような辛い草でも食べる虫がおり、朝から晩まで一日中タデだけを食べている様を見て「蓼食う虫も好きずき」という諺が産まれた。
 刺身のつまに時折このタデの双葉が使われる。上の画像で、サーモンの上にのせられている紫色のものである。もっとも、このタデはヤナギタデではないようで、ムラサキタデとかイトタデなどの同様な辛味を持つタデであるという。


種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる