ラフレシア・ケイシー Rafflesia keithii Meijer  (ラフレシア科 ラフレシア属
 ラフレシアは東南アジアの島々とマレー半島に分布する全寄生植物で、15種ほどが知られている。花は直径15pほどのものから直径100cmを超える種まである。ブドウ科の根に寄生する。茎も根も葉もない。花は雄花と雌花に分かれており、死肉に似た腐敗臭を発し、クロバエ科のハエを誘引している。ラフレシア・アーノルディーは世界最大の花として知られており、その大きさは直径100cm以上にも達するものもある。
 画像のラフレシア・ケイシーは、マレーシア・ボルネオ島のコタ・キナバル山中で撮影したものである。標高250m〜940mの川沿いなどの湿った場所にみられる。蕾は直径25pで、直径80〜94pの花をつける。通常は5枚の花弁をつけるが、時に6枚つける。花の中央には38〜42本の突起物が並んでいる。この突起物の役割は分かっていない。花弁の色は赤黒くまるで腐った肉を思わせたが、臭いはそれほど感じなかった。ラフレシア・ケイシーは、近年の激しい森林開発のため絶滅に瀕しているらしい。日本には、同じラフレシア科のヤッコソウの生育が知られている。
ラフレシア Rafflesia keithii の生育地ラフレシア
ラフレシア横ラフレシアの花の中

文章・画像:山尾 僚
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