クリスマス・ローズ Helleborus spp. (キンポウゲ科 クリスマスローズ属
 比較的最近に流行りだした園芸植物にクリスマス・ローズがある。最初の頃にはおとなしい花色のものだけであったが、最近は色も鮮やかなものが増え、八重咲きのものも出回るようになった。実際にはたくさんの種の総称であり、園芸的に作出された雑種もあるとのこと。ヘレボルスと属名で呼ぶべきとの意見もあるが、一般的に呼ばれているクリスマス・ローズとしておこう。

 この仲間は東ヨーロッパからバルカン半島、トルコ、シリアなどに自生しているとのこと。この地域は気温の高い夏に降水量が少なく、秋から春にかけての低温の時期に降水量が比較的多い、地中海性気候あるいはそれに近い気候のエリアである。したがって、夏は夏眠し、秋から冬にかけて生長して花を咲かせる性質を持つ。菜の花の仲間やチューリップ、スイセンなどの地中海に起源を持つ植物群の一員であり、名前のごとく、冬を彩る植物として貴重である。

 クリスマス・ローズの花は、残念ながら下を向いて咲くことが多く、せっかくの美しい花を上から見ることが少ない。花の大きさの割に花茎が細く、花を持ち上げることができていない。キンポウゲの仲間は、花弁のように見えるものは萼片であるので、裏から見ると緑の萼は存在しない。
クリスマス・ローズ Helleborus sppクリスマス・ローズの葉
多数のおしべを持つクリスマス・ローズの花おしべ群の根元にあるのが本来の花弁であろうか
花弁のように見えるものは萼片キンポウゲ科の特徴を良く示している未熟な果実
Christmas rouseChristmas rouse
Christmas rouseChristmas rouse
Christmas rouseChristmas rouse
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科