ケスハマソウ Hepatica nobilis var. pubescens キンポウゲ科 ミスミソウ属
 ケスハマソウは本州近畿以西・四国に分布する多年草。よく似ているスハマソウとは、葉の両面に毛があることで区別されるが、毛の量は連続的に変化し、区別しにくい場合も多いという。葉裂片が鈍頭から円頭である点で、ミスミソウとは区別されるが、この区別点も中間形があって区別しにくい場合がある。
 ケスハマソウは常緑であり、冬でも緑の葉を維持している。消え残った雪の間から花を咲かせる姿から雪割草の名前もいただいている。やや湿った谷や北斜面などの落葉広葉樹林に生育することが多いが、この画像の撮影地は若いヒノキの植林地であった。匍匐茎を伸ばすので、崖などの急傾斜地でも確実に定着することができる。
 葉は長い柄があり、3つに中裂し、先端は鈍頭から円頭。両面と葉柄には毛があり、裏面は紫色を帯びる。3月から4月にかけ、茎を伸ばして頂端に花を付ける。萼のようにみえるものは茎葉であり、3枚が輪生する。花弁は退化しており、花弁のように見えるものは萼である。萼片は6〜10枚で、変異が大きい。萼片の色は白〜淡紅色まで変異があるが、日本海側のものは様々な色があって美しい。残念ながら岡山県のものは希に淡紅色のものが見つかる程度で、白いものがほとんどである。
ケスハマソウ花の拡大
葉の裂片は円頭から鈍頭葉の拡大


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