サンインシロカネソウ Dichocarpum ohwianum (キンポウゲ科 シロカネソウ属) |
サンインシロカネソウは本州福井県以西からの日本海側に分布する多年草。温帯域の渓谷などに生育する。草丈は20cm弱であり、5月から6月にかけて花を咲かせ、特徴のある果実を付ける。二つの果実の基部にはふくらんだ付属体がある。花後に長い匍匐茎を出して群落を形成する。渓谷の崖地や岩場などでは単に種子を散布するだけでは定着しにくく、匍匐枝などによって確実に子孫を残すことが有利な戦略なのであろう。 このような渓谷に生育する種は次第に減少しつつあるものが多く、サンインシロカネソウも岡山県では稀少である。このような減少の原因は、森林伐採や林道の整備、砂防工事などの直接的原因の他に、砂防堰堤などの建設によって渓谷の河床が安定し、新たな崖地や露岩地などができにくくなったことなどが考えられる。 |
(画像は清末幸久氏提供) |