ヨコグラノキ Berchemiella berchemiaefoliaクロウメモドキ科 ヨコグラノキ属
 7月の始め、石灰岩地の谷を歩いていると細い枝が垂れ下がっており、黄色い花を群れ咲かせていた。イソノキネコノチチに似ているが、葉はより厚くてしっかりしており端正な感じ。クロウメモドキ科のヨコグラノキであった。

 ヨコグラノキの名前は高知県の横倉山で発見されたことに由来するそうで、横倉山は石灰岩の山としても有名である。今までも石灰岩地で何度かお目にかかっているが、花や果実をみたことがなかった。高木に育っているものは、下から双眼鏡で眺めてみても判定できなかった。谷底に生育していた個体の葉の縁は、波打っておらず、その印象が強かったからである。大きく生長した個体、あるいは日照条件の良い場所に生育している個体では、葉は樋状に両側があがって、丸まっている傾向があり、縁は裏側に巻いており、大きくうねっている。全縁であって、鋸歯がない。この葉の縁のうねりと特徴ある樹皮は、同定のよい目印である。
ヨコグラノキ Berchemiella berchemiaefoliaの花序
果実をつけた ヨコグラノキ Berchemiella berchemiaefolia
谷底に生育するヨコグラノキ日当たりの良い場所に生育するヨコグラノキの葉
ヨコグラノキの花ヨコグラノキの花
高木となったヨコグラノキの花と葉ヨコグラノキの若い果実(8月中旬)
日当たりの良い場所のヨコグラノキの葉は、縁が波打つことが特徴のひとつ
葉の裏面、縁は裏側に巻き込むヨコグラノキの樹皮
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