バクチノキ Prunus zippeliana Miq. (バラ科 サクラ属) |
バクチノキは樹皮が鱗片状にはがれ落ち、その跡が紅黄色のまだら紋様となる。樹皮が剥がれ落ちる様を博打に負けて着物を剥がれるのに例えたという。葉は革質で長さ8〜14cmで葉柄は長さ1cmほどで、1対の蜜腺がある。両面とも無毛で、裏面はくすんだ淡い緑色で、葉の縁は裏面側に曲がり込み、鋭い鋸歯の先端は腺体となっている。サクラ属では、部分的にしろ鋸歯の先端が腺になることが多い。葉は、全体としてセイヨウバクチノキによく似ている。花は9月に咲き、穂状の花序に直径6〜7mmの白い花をたくさん付ける。
葉柄には1対の蜜腺があるが、幼木では鋸歯の先端が明瞭な腺体となっている傾向があり、幼木ほどアリとの強い関係を構築する戦略であろう。 |