カンヒザクラ Prunus campanulata (バラ科 サクラ属
 新年のレポートで「沖縄ではすでにサクラが開花しました」といった話題が流されることがある。種類が違うんですよ!と沖縄出身の宮城君が話していた。カンヒザクラ(寒緋桜)は台湾、中国南部の山地に自生する落葉の小高木。沖縄や奄美大島などの温暖な地域では公園木として植栽されているが、本州のソメイヨシノほどは植栽されていない。沖縄本島では1月に開花するが、本州ではかなり遅れて3月のはじめから4月にかけての開花である。原種は緋色が濃く、花は下向きに半開するイメージであり、かなりソメイヨシノとは異なるものである。

 カンヒザクラからはたくさんの園芸品種が生まれている。ソメイヨシノよりも開花が早いことに着目されているのであろう。中段右と下の画像は奄美大島の高知山展望台で12月31日に開花し始めたものの画像である。花はカンヒザクラと同様に下向きに垂れ下がって咲くが花は色は淡くてやや平開している。リュウキュウカンヒザクラといわれるものと思う。これらの品種もカンヒザクラとして一括して呼ばれていることが多いが、花はこちらのほうが日本らしい。
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