カライトソウ Sanguisorba hakusanensis (バラ科 ワレモコウ属) |
カライトソウは白山や白馬山など、主に日本海側の亜高山帯の草原に生育する多年草。和名は唐から渡来した美しい絹糸を連想してとの事であるが、学名の種小名はハクサンエンシスであり、白山で目立ったのであろう。植物は低地に移植すると高さ1mを超えるが、白山の自生地ではそれほどの高さになることはないと思われた。葉は奇数羽状複葉で、ワレモコウよりも大きく、またやや厚く、やわらかいように思えた。花は先端から咲き、長い雄しべが総状になって美しい。霧の中では露を蓄えてみすぼらしくなってしまう。霧の多い山地帯では、生殖には不利ではないかと思うが、どうなのであろう。好天の際にさっさと受精を済ませ、露を吸っているのはすべて用が済んだ後の賑わいなのかもしれない。 |
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