メアカンキンバイ Potentilla miyabie (バラ科 キジムシロ属)
メアカンキンバイは北海道の高山の礫地に生育する多年草。大雪山ではほぼ全域に見られる。茎の高さは10センチ以下で、地面に張り付くように生え、マット状に広がる。他の植物が生育できない、小石が移動する不安定な場所(下段右側の画像)や登山道上、大きな岩の隙間などでよく見かける。本種が定着して生育パッチが大きくなった場所では、パッチの存在する部分は小石の移動が無くなるが、その周辺は移動が止まないため掘り下げられ、結果として斜面に対して平行な島状のパッチが形成される(上段右側の画像)。より立地の安定する(小石の移動の少ない)パッチの後ろ側(斜面の下側)には、イソツツジやコケモモが生育し、本種を圧倒していた。本種にとっては自分が増えることで自らの生育空間を減らすことになっている様で、傍から見るとなんとも理不尽な話に思える。