ナナカマド Sorbus commixta (バラ科 ナナカマド属
 ナナカマドは北海道から九州、朝鮮・樺太・南千島に分布する落葉の小高木。ブナ帯から亜高山針葉樹林帯に生育する。葉は無毛またはほとんど無毛であり、複葉で11〜17の小葉からなる。鋸歯はバラ科の特徴をよく示し、鋭く規則的で美しい。5月頃、枝の先に大きな花序を付ける。全体の花序は枝分かれした花序がいくつも集まっており、全体として1つのまとまりのある花序に見える(複散房花序)。果実は赤く熟し、美しい。
 ナナカマドは「7回かまどに入れても燃え残る」との意味と聞く。燃やしたことはないが、火付きの悪い木なのであろう。近年、紅葉の美しさ・果実の美しさを買われて街路樹にも植栽されているのを見るが、あまり良好な生育を示していない。ブナ林や亜高山針葉樹林帯には広く分布し、崖地などにも生育して強健であるように見えるが、都会ではその強さを示していないように思う。案外土地の選り好みが強いのかも知れない。
ナナカマドナナカマド
ナナカマドの花ナナカマドの葉:ほとんど無毛
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