ヤマビワ Meliosma rigida (アワブキ科 アワブキ属)
 ヤマビワは伊豆半島以西の本州・四国・九州・琉球に分布する常緑の小高木。常緑広葉樹林の林内や林縁で、低木あるいは亜高木として生育することが多い。粗く分枝し、枝先に20cm前後の大きな葉を密に付ける。本来は互生であるが、輪生状に見える。葉の長さは12-22cmで、形は上部で最も幅広く、下部に至るにつれて細くなって、輪生状に葉を付けても重ならないものとなっている。葉の縁には鋭い鋸歯があり、葉脈が先端にとどいて貫く形で終わっている。葉脈は明瞭で、側脈と側脈からさらに分岐する脈まで裏面に突出しているのも特徴の1つ。表面は無毛であるが、裏面には褐色の毛が多く、特に脈上には毛が多い。葉柄には毛が密生している。葉の質は堅く、毛が多くてビワの葉の質感がある。葉の形や葉脈の様子は、アワブキやミヤマハハソと共通性があり、常緑で大きなミヤマハハソといった葉の形である。
ヤマビワ葉の裏面拡大:脈が裏面に突出し、褐色の毛が多い葉柄の拡大:褐色の毛に覆われる
ヤマビワの葉
裏面:葉脈が顕著
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科