カナビキソウ Thesium chinense (ビャクダン科 カナビキソウ属
 カナビキソウは北海道南部から琉球、朝鮮・中国・シベリアに分布する多年草。草丈は高さ10〜20cm程度である。この高さでほ頻繁に刈り取りが行われなくても光を受けることができるような場所、すなわち、荒れ地に生育する。路傍やため池の堤防、岩がちの土壌が浅い場所などで出会うことが多い。太い地下部から数本の茎を出し、茎はあまり枝分かれしない。葉は線形で長さ数cm。葉柄が明瞭ではなく、茎から次第に葉に移行する感じ。花は4月から5月にかけて葉腋に咲く。花は小さく、撮影するのに苦労する。5枚の花弁があり、5本の雄しべ。果実ものっぺりしてシャキッとしない。どこもかしこも角がなく、ヌメーとっした感じなのである。
 葉緑素はあるものの、半寄生とのこと。結構葉の量も多く、寄生しなくても生育できそうな感じであるが、根で近隣の植物から養分をくすねているということらしい。根の画像は鳥取県立博物館学芸員の清末幸久氏の提供であるが、寄生の相手を確かめようと言うことであったが、そこまではたどれなかったとのこと。時間のあるときにじっくりと取り組んでみたい。
カナビカナビキソウカナビキソウの花
カナビキソウの若い果実カナビキソウの地下部 (鳥取市 清末幸久氏提供)


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