ミツデカエデ Acer cissifolium (ムクロジ科 カエデ属
ミツデカエデミツデカエデ
ミツデカエデたわわに果実をつけたミツデカエデ
  ミツデカエデは北海道南部から本州・四国・九州に生育する落葉高木。ブナ帯などの冷温帯林から暖温帯上部の落葉広葉樹林に生育し、岡山県では出会うことの少ないカエデである。渓谷に生育し、石灰岩地域の渓谷にも見られる。葉柄が長く、枝も細いので、風の強い場所には生育しないであろう。谷筋などの風当たりの弱い場所が生育地ではないかと思われる。幼木の時期には枝も細くて弱弱しいが結構大きな高木に育つ。

ミツデカエデの葉5小葉からなるシュートの葉
頂小葉頂小葉の裏面
裏面の拡大(脈上、脈脇に毛)葉柄と若枝
 ミツデカエデの葉は3〜5小葉からなり、長い葉柄がある(3小葉からなるものが多いが、シュートでは4小葉あるいは5小葉のものが混ざる)。小葉には荒い鋸歯があり、鋸歯の大きさには変異がある。小葉の先端は尾状に伸び、基部は楔形。葉柄や葉の両面には毛があるが脱落しやすいが、特に裏面脈上および脈腋には毛が目立つ。葉の形からは、ウルシ属?という印象があるが、葉は対生し、カエデ属であることがわかる。

たわわに稔ったミツデカエデの果実(2005/08/15)
果穂;長さ20cm近くあるミツデカエデの果実(2つの分果からなる)
 ミツデカエデは雌雄異株で花は5月に咲く。今年は様々な樹木に花が咲き、果実が稔っている。渓谷に差し掛かっている枝にシデの仲間か? と思うほど、大量の果実が稔っているミツデカエデに出会った。重そうで、枝が垂れ下がっている。図鑑には果期は6月から7月と記されていたが、8月の状態でこの姿であるから、完全に稔るのはもう少し後の様である。
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