オオイタヤメイゲツ Acer shirasawanum (ムクロジ科 カエデ属
オオイタヤメイゲツオオイタヤメイゲツの葉
裏面は毛が少なく、緑色裏面の拡大:主脈と脈腋にわずかに毛がある。
 オオイタヤメイゲツは福島県以南の本州・四国に分布する落葉高木。低山の林内に生育するとされるが、岡山県では暖温帯上部にも生育が見られるものの、冷温帯域に分布の中心をがあり、夏緑広葉樹林の尾根筋などに見られることが多い。葉は対生し、葉身は長さ4.5〜8cm、幅6〜12cm。9〜13裂し、葉柄は長さ3〜7cmで、葉身の長さの2/3から同長。表面は無毛で、裏面は主脈上と脈腋にわずかに毛が残る。

 大板屋名月:丸い葉の形を満月に例えたものであろう。なかなか良い名前をいただいている。さて、板屋とはどういう意味だろうか?牧野植物図鑑では、板屋とはちょうど板で屋根を葺いた板屋根のように雨水が漏れないという意味だとか。名月という風流な名前にくらべ、ちょっと無粋でしょうか?

花を咲かせたオオイタヤメイゲツオオイタヤメイゲツの花序雄花が多く、両性花は少ない雄花の拡大
 オオイタヤメイゲツの花は、5月頃に葉の展開と同時に花を開く。花序は垂れ下がらず、葉よりも上に伸びる。花数は多く、10-20個の花を咲かせ、雄花と両性花をつけるが、雌花は少ない。花は遠目には赤く見える。萼片の先端とおしべの葯が赤いためである。花弁は白黄色で萼片よりも小さく、すぐに脱落するものと思う。
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