ウメバチソウ Parnassia palustris var. multiseta (ユキノシタ科 ウメバチソウ属
 ウメバチソウは北海道から九州、台湾・東アジア北部・樺太・千島に分布する多年草。おもに山地帯の湿原に生育する。岡山県ではブナ帯あるいはこれに近い海抜地に湿原がほとんどないので、湿原を歩いていてもお目にかかるチャンスは少ない。夏に花茎を出すが、それまでは長い柄のある根生葉があり、ロゼット状である。長い柄のある葉は、ミズゴケが生長しても埋没しないようにという適応かも知れない。花茎がでる頃には根出葉はなくなる。8月から10月にかけ、花茎を出して頂きに白い花を咲かせる。花茎には無柄の葉が1枚付く。花弁は緑色の脈が目立つ。太く白い花糸を持つ雄しべとともに、糸状に裂開した仮雄蕊(ゆうずい:雄しべのこと)があり、これがウメの花の雄しべを連想させる。仮雄蕊の先端には腺体があり、裂開数によって変種に細分される。ウメバチソウは15〜22に分かれ、エゾウメバチソウは9〜13に、コウメバチソウは7つに裂開する点で区別される。
 毎度のことながら、花がハレーションを起こしてつぶれてしまうので、全体像は難しい。
ウメバチソウ:釧路湿原にて撮影ウメバチソウの茎葉(これ1枚)
ウメバチソウの花花中心部の拡大:仮雄蕊は22本に分かれている。
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