ヤマネコノメソウ Chrysosplenium japonicum (ユキノシタ科 ネコノメソウ属) |
ヤマネコノメソウは北海道南西部から九州、朝鮮・中国(東北)に分布する越年性の一年草。林縁部や渓谷、石垣などに生育する。やや暗い渓谷などに明るく、浮き出たような花を咲かせて目をひく。走出茎はなく、花の後は枯れ、種子の他、茎の根元に珠芽ができて無性的にも子孫を確保する。秋に芽生え、根出葉の状態で越冬する。根出葉は長い柄を持つ円腎形で、幅2cm前後。縁には10前後の浅い鋸歯がある。根出葉の表面には毛が散生するが、花序の周辺に付く葉には毛が少ない。 3月から4月にかけ、花茎を出して頂きに花をつける。花茎と葉柄にはやや長い毛が散生する。茎の間に付く葉は1〜2枚と少数で、互生する。茎の頂端に輪生するように付く葉は中心部に至るほど小さく、色も黄緑色を帯びるようになる。花は直径5mm程度、顎片は4枚で黄緑色。花が終わると開いていた顎片が立ち上がって、猫の目を連想させる状態になる。 |
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