ヤシャビシャク Ribes ambiguum (ユキノシタ科 スグリ属) |
ヤシャビシャクは本州・四国・九州、中国西部に分布する落葉低木。ブナなどの温帯林の老木に着生する。高木に着生するので発見しにくいこともあるのであろうが、少ない種とされている。画像を撮影した場所は、湿原の様子を記録するために、来訪すると登って写真をとる木に着生していたものである。海抜680m付近の昔植林されたと思われるクロマツの高さ3m付近であった。ブナなどの落葉広葉樹専門に着生するのではないらしい。寄生するのではなく、ただ単なる着生であり、雨の多い脊梁地帯のブナ林などならではの戦略である。 ヤシャビシャクは高い木に着生するので、幹を伸ばすつもりはないらしい。ある程度大きくなると短枝を発達させ、同じ場所に葉や花を咲かせる戦略である。葉は円形から5角形であり、1.5〜3cmの葉柄がある。掌状に3〜5に浅く分裂し、浅い鈍鋸歯がある。両面に短毛がある。花は淡緑色で4月から5月に咲き、果実は長さ7〜12mmで表面全体に毛があり、緑色に熟す。 環境省RDB:絶滅危惧U類 岡山県RDB:危急種 |
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