サネカズラ Kadsura japonica (マツブサ科 サネカズラ属
 サネカズラは関東地方以西の本州・四国・九州、朝鮮・台湾・中国の暖帯から亜熱帯にかけて生育する常緑のツル性木本。丘陵地帯の広葉樹林の林床や林縁などに生育する。
 若枝は赤紫色を帯びるが太い茎はコルク質の皮層が発達する。枝葉ツル性であるが、あまり巻きつく印象はない。むしろまっすぐ伸びて垂れ下がったりするので、普通の木本の枝と区別しにくいことが多い。林床に生育している若い個体では、ツルを伸ばしていないことも多いので、常緑高木の若木と紛らわしい。葉は無毛で長さ5〜13cm。先端はやや尖り、革質。縁には荒い鋸歯があるが、林床に生育する若い個体では鋸歯が目立ち、日当たりの良い場所の葉は鋸歯が低くなる。葉の裏面には、しばしば赤味を帯びた斑紋ができる。この点は本種の特徴の一つ。雌雄異株で、花は8月頃に咲き、黄白色。果実は秋に赤く熟す。
 サネカズラはビナンカズラの異名を持つ。葉に粘液を含んでおり、これを整髪に利用したからであるという。
林床に生育するサネカズラの若い個体サネカズラの果実
サネカズラの葉裏面(緑のタイプ)裏面(赤い斑紋がある)


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