コガンピ Diplomorpha ganpi (ジンチョウゲ科 ガンピ属) |
コガンピは関東地方以西の本州、四国、九州に生育する落葉性の低木。地上の上部は毎年枯れるので、高くならない。尾根筋や崖地などに生育し、瀬戸内海沿岸域などの禿げ山には点在するが、雨量の多い地域では見かけることは少ない。同じ属のガンピが和紙の原料に使用されるのに比べ、繊維は弱く、手で簡単に折り取ることができる。 奈良の「春日山原始林」を散策したが、若草山の山頂に出てしまった。毎年火入れされて草原が維持されている。火入れされることによって発芽率が高くなるマルバハギがたくさん生えている「萩山」であると昔、何かの本で読んだことがあると記憶している。しかし、歩いてみるとまったくハギ類が生育していない。ワラビやナンキンハゼ、そしてコガンピが目立った。昔はハギが生育していたのか、元々誤りであったのかよくわからないが、結果として誤った状況を講義で述べていたことになる。ニホンジカがたくさん生息しているので、コガンピも食べられない植物であろう。 |
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