オヒョウ Ulmus laciniata (ニレ科 ニレ属
 オヒョウは北海道・本州・四国・九州、朝鮮・中国・東シベリア・カムチャッカに分布する落葉高木。冷温帯域の落葉広葉樹林、谷筋などのやや水分を多く含む場所に生育することが多い。葉の形は特徴的なもので、一度見たら忘れられないものである。葉は互生し、やや堅くてざらつく。葉柄は3〜10mmで短く、葉の先端は尾状に伸びて尖るが、その数は7つから1つの間で変動する。奇数のものが多いが、中心に1本、左右のどちらかが1本少ない場合もある。平行に走る葉脈のいくつかが伸びるのであろう。同じ枝に様々なタイプの葉が出ているが、先端のものほど尾状に伸びた先端の数が多い傾向がある。
 葉の長さは7〜15cmで、縁には鋭い鋸歯がある。両面とも短毛があるが、裏面脈腋と脈上に多く、ざらつく。花は4月から5月、葉の展開に先立って咲くという。翼のある果実ができる。
先端が5つに分かれたオヒョウの葉3つのタイプ先端が分かれない葉もある
様々なタイプの葉が付いている枝(7つに分かれている葉もある)裏面の拡大:葉脈上と脈腋に短毛
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科