ムカゴニンジン Sium ninsi (セリ科 ムカゴニンジン属) |
湿原の周辺、特に下流側の流路のほとりなどに、まるでツル植物のように他の植物に寄りかかって伸びる植物が生育していた。白い傘状の花を咲かせ、葉腋にはムカゴを成らせている。ムカゴニンジンである。
どの程度捻性のある種子を形成するのかわからないが、ムカゴを作って繁殖する戦略は、やや沼沢性の高い湿地での生育には有利であろう。カサスゲやヨシなどが生育する立地に生育するので、十分に日照を得るためには1m近くの長さにならなくて話さない。他の植物に寄りかかりながら、点々とムカゴを散布つもりであろう。 葉の形は変異の幅が広い。1枚の丸い葉である場合から、3〜7出複葉の幅がある。しっかりした葉で、明瞭な深い鋸歯が取り巻いている。 北海道から九州、中国・ロシアなどに分布するとの事。学名としては Sium sisarumが採用されているものもあり、そうであればヨーロッパにも広く分布し、あるいは栽培されるものと同種ということになる。根が芳しくておいしいらしい。しかし、ムカゴニンジンの根を食べたという話は聞かない。 |