コケミズ Pilea peploides (Gaudich.)Hook. et Arn. (イラクサ科 ミズ属
 コケミズは,山地の陰湿地に生える1年草。茎は淡緑色でやわらかく、とてもかわいい。直立して細長く、単一あるいは下部で分岐し、高さ5〜15cmで無毛である。
 葉は円形または卵円形で、先端は円形からやや鋭形。基部は広い楔形で、全縁または不明瞭な鋸歯がある。長さ5〜15mmで対生、3つの脈が良く目立つ。細い葉柄があり、葉身の1〜2倍の長さである。花期は3〜7月で、雌雄同株。雄花と雌花が混生して頭状に集まり、無柄で葉腋につく。
 本州では関東以西・琉球・朝鮮・中国・マレーシア・インド・ハワイ・ガラパゴス諸島に分布し、写真は、岡山理科大学構内に自生しているものを撮影した。岡山県内では、湿った林床でまれに見られる。他県ではレッドデータブックに記載されており、貴重な種と言える。小規模な群落を点々と作るため、発見例が少ないのかもしれない。
kokemizuzenntai.jpgコケミズの葉と茎

文章・画像:時光 秀彰
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科