ナガハシスミレ Viola rostrata var. japonica (スミレ科 スミレ属)
 ナガハシスミレは北海道から本州の日本海側に分布する多年草。国外では日本から遠く離れた北アメリカ東部にのみ見られ、その分布様式は一風変わっているらしい。日本国内でも日本海側に分布すると言いながら、四国でも見つかっており、まだまだ研究の余地があるらしい。画像は島根県安来市のもので、南限とされる鳥取県よりも南方での確認例となる。
 花期は4月中旬から5月であり、別名は天狗スミレ。ご覧の通り、長く伸びた距が天狗の鼻のようである。撮影地には本種のほかにナガバタチツボスミレ、タチツボスミレも生育しており、花の無い時期では、これらとの、特にタチツボスミレとの区別は困難なようであった。葉の表面の光沢が強いものを本種とすることもできなくもないが、花が咲くまで待つのが正しい姿勢と思う。
 古い株がたくさんの花を咲かせている姿は、鳥の群が飛んでいるようにも見える。
ナガハシスミレナガハシスミレの花、鳥の群が飛んでいるみたい?
花のアップ花の側面、距が非常に長い
葉の表面、光沢がある心形の葉葉の裏面

文章・画像:森定 伸

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