ツボスミレ Viola verecunda (スミレ科 スミレ属)
 ツボスミレは南千島・北海道〜九州、樺太・朝鮮・中国・ウスリー・アムールなどに生育する多年草。湿原のほとりや湿った草原などに生育する。全体に軟らかく、無毛。花は小さく、白色で中心部に紫褐色の文様がある。葉は基部が広く湾入している。この程度は春は少ないが、夏になると湾入の程度が大きくなる。湾入の程度が大きく、葉が三日月型になるものをアギスミレ(var. semilunaris 北海道から東北に分布)といい、その小型のもので茎が匍匐性のものをヒメアギスミレ(var. subaequiloba 近畿地方以西に分布)という。
 分布上からは、岡山県にはツボスミレとヒメアギスミレが生育していることになる。両者の区別点は葉の基部の湾入の程度と茎が匍匐性であるかどうかになるが、夏に向かってツボスミレも湾入の程度が大きくなり、茎は伸びて地表を這うので同定に悩むことも多い。湾入の程度が顕著なもの以外はツボスミレで良かろうかと思う。
ツボスミレ
ツボスミレの花ツボスミレの花
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