フウセントウワタ Gomphocarpus physocarpus (ガガイモ科 フウセントウワタ属) |
フウセントウワタは南アフリカ原産の低木。世界各地に帰化しているそうだが、日本では観賞用植物として栽培されている。夏になるとおもしろい花を咲かせる。直径1cmほどで、裏から見ればちゃんと顎があるので、花弁らしいものが花弁に違いない。中心の丸いものは雌しべの柱頭なのであろうか。その周辺に5つあるものからは蜜が溢れている。副花冠と呼ばれるものであろう。 花もおもしろいが果実の形はさらに面白い。学長室の花瓶にいけられたので、最終的にどのように種子が散布されるのかを観察することになったのだが、いくら待っても風船は割れることがなく、結果的に解剖することになった。風船と言うことで、中は中空になっているはずと予想していたが、こんな構造になっていた! 英語名はballoonplant, balloon cotton-bush これらの名前は当然と言ったところ。 bishop's balls という名前は、司教さんのボールという訳になるが、ボールは睾丸と訳すべきではないかと思う。swan plantという英語名は白鳥の植物という訳になるが、これは風船の中に入っている種子から出ている白い綿毛がまさしく白鳥をイメージさせると言うことであろう。ガガイモ科の植物は傷つくと乳液を出すのでmilkweedと呼ばれる。 フウセントウワタの種子はどのように散布されるのであろうか。なんだか、風船のままころころと風に吹かれて転がっていきそうだが、そんなことはないであろう。やがて風船は壊れ、その中から綿毛で飛ぶのであろう。 |
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