ガガイモ Metaplexis japonica (ガガイモ科 ガガイモ属)



 ガガイモは多年生のツル植物で、北海道から九州の日本各地、朝鮮から中国にも分布する。農地周辺のやぶ、路傍・法面の草地などに生育するが、刈り取りには耐性が低いようで、刈り取られることの少ない場所で繁茂する傾向がある。葉は対生でやや厚くてなめらか。8月のおわり頃から葉腋に花序を形成し、淡紫色の花を咲かせる。花弁の先端は5つにわかれ、毛が著しい。中央の雌しべは突出し、雄しべはその根元に集合して見えにくい。雌しべの根元から蜜が分泌されるらしく、花弁の溝にアリがよく頭をつっこんでいる。花には弱いが独特の臭いがある。長さ10cmほどの長い袋状の果実をつけ、種子には毛があり、風で散布される。
ガガイモガガイモの花
ガガイモの花序葉の裏面と乳液
 ガガイモは地中に伸びた根から地上茎を出して広がる。特に顕著なイモを形成するわけではないが、ガガイモの名前がついている。和名の由来はどうもよくわからないらしい(ガガとはスッポンのことで、葉の形がスッポンの甲羅の形に似ているからという説もある)。ガガイモは傷付けると乳液を出す。

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