フサフジウツギ Buddleja davidii (フジウツギ科 フジウツギ属)
フサフジウツギは中国原産の栽培種で、時折野化している。造成地のコンクリートブロックの間から、見慣れぬ植物が美しい花を咲かせていた。新種の帰化植物か? と思って調べてみると、同じものが民家の庭先に結構植栽されているのに気づいた。図鑑によっては、最初に野化しているのが記録された場所にちなむ、チチブフジウツギと記載されており、園芸的にはフサフジウツギあるいは属の学名を使ったブッドレアなどと呼ばれているらしい。幹の高さは2〜3mになり、株立ちになる。葉は対生で、表面は無毛であるが裏面には星状毛が密生して白い。花は6月の後半から咲き始め、いったん盛りとなるが夏の終わり頃にも一部が咲き残る。花は円錐状の花序を形成するが、上側に向いて咲くので下面には少ない。夏の日照りにも耐えて花を咲かせているのを見ると、結構乾燥にも強いのではないかと思う。