フィテウマ・ヘミスファエリクム Phyteuma hemisphaericum
 海抜2000mを少しあがった高山草原の岩陰に見慣れぬ花が咲いていた。調べてみると、キキョウ科であった。花の構造がわかりにくいが、細い管状の花冠を持つ花がいくつか集まって頭状花序を形成している(画像では9つ)。管状の花冠は、根元から5つに裂け、やがて完全に裂開して花が終わるようである。葉は細長く、草丈は5〜20cm。花は7月から8月に咲き、海抜は1700〜3000m。酸性土壌地の牧草地、礫の多い急傾斜地、岩の裂け目などに生育する。
 この属の植物の花は、管状花の形から「魔女の爪」と呼ばれるそうである。ヨーロッパ原産であるが、日本にもいくつかの種が導入されて山草愛好家などによって栽培されており、タマシャジンとよばれている。
岩の割れ目に生育しているフィテウマ・ヘミスファエリクム スイス海抜約2200m)フィテウマ・ヘミスファエリクム の花
花の拡大花が終わった直後
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