ヤブデマリ Viburnum pilicatum var. tomentosum (スイカズラ科 ガマズミ属
 ヤブデマリは本州・四国・九州に分布する落葉低木。暖温帯上部から冷温帯下部にかけての落葉広葉樹林中や林縁などに生育し、時折水の流れるような谷から斜面下部などに多い。水分の多い場所が生育に適しているのであろう。葉は対生し、側脈は7〜12対で表面でくぼみ、裏面に突出している。葉脈のはしり方は平行にというか、ルールに乗っ取っており、最も効率よく均一に! という命題を見事に解いている。明瞭な規則正しい葉脈は、本種の特徴の1つである。花は5月から6月にかけて咲く。花序の周辺には花冠が5つに分かれた大きな装飾花がある。花冠は5つに分かれているのであるが、その1つが小さいので4つに分かれているように見える。lこの花は不稔である。中心部の花は種子を形成する正常花であり、花冠は5つに分かれ、直径3.5〜5mm。
 ヤブデマリの咲く季節には、オオカメノキもよく似た花を咲かせている。オオカメノキの装飾花は、大きさに違いがあってもちゃんと5つに分かれていることで区別できる。花の時期もオオカメノキの方が少し早いようである。
ヤブデマリヤブデマリの花序
ヤブデマリの装飾花ヤブデマリの葉(表面は毛が散生、裏面は多い)


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