ハマギク Nipponanthemum nipponicum  キク科 ハマギク属
 東日本大震災の津波による植物への影響を見たくて宮城県に行ってみた。海岸の崖地に眼をやると、白い花が見えた。堤防の上に建てられている三階建ての民宿は三階の窓が破られており、津波の高さは10mを超えていたのであろう。当然この花は海水に浸されたわけであるが、もともとの海岸植物であり、影響は軽微であったのであろう。
 青森から茨城の太平洋岸に分布するハマギクは、砂岩や礫岩などの堆積岩の崖地、十分な日照を得ることができる南傾向の斜面に生育していた。茎は木化していて丈夫であり、木本のキクということになる。花は大きくて見事であり、フランスギク(マーガレット)とそっくり。葉は茎の丈夫に密集して付き、厚くて多肉植物に近い。乾燥や潮に対して高い抵抗性を持っているのであろう。ハマギクにとっては、津波による海水の冠水は、競合植物の除去といったプラス効果を与えたに違いない。
ハマギク Nipponanthemum nipponicum
上の画像の遠景(宮城県東松島市宮戸島 2011.10..26)ハマギクの生育状況
ハマギク Nipponanthemum nipponicumハマギク Nipponanthemum nipponicum
ハマギクの総苞ハマギクの葉
葉の表拡大葉の裏面拡大
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