ヒナギク(デージー) Bellis perennis (キク科 ヒナギク属
 子供の頃、小学校の花壇にヒナギクを咲かせた記憶がある。赤い可愛らしい花であった。最近はヒナギクを見かけることは少なくなったように思う。名前としては、ヒナギクよりもデージーの方が親しまれているかも知れない。英名は English daisy, (Common) daisy 。ヨーロッパ原産で、イタリアの国花だそうである。
 スコットランドの春、芝生や公園などの草地に点々と白い花が咲いていた。ヒナギクの野生種であることはすぐにわかった。早朝は花が開ききっておらずピンク色に見えるが、昼間は開いて白く見える。花弁の裏側がわずかに赤味を帯びているからである。葉は小さく、長さ数cmで両面ともにやや長い毛が散生している。地面にぴったりと付いており、草刈やヒツジなどの摂食による被害を最小限にとどめているように思われる。ヒツジの放牧地では見渡す限りヒナギクが咲いているところがあり、圧巻であった。
 学名は多年草の意味であるperennisとなっているが、今までの経験では夏の前に枯れてしまう。夏の暑さでまいってしまい、結果的に一年生草本になってしまうとのこと。放牧地で一面に咲いているのを見ると、これは一年草としての振る舞いではなく、長い年月かかっての生育であることが実感できた。
公園のヒナギク
ヒツジの放牧地に咲くヒナギク
牧草地に群生するヒナギク牧草地に群生するヒナギク
ヒナギク(デージー) Bellis perennisヒナギク(デージー) Bellis perennis
地面にへばり付くヒナギクの葉葉の裏面拡大
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科