ヒヨドリバナ Eupatorium chinense L. (キク科 ヒヨドリバナ属)
ヒヨドリバナは日本全国に分布し、朝鮮から中国にも分布する多年生草本。山道の路傍や草原などに広く生育する。葉の形などには幅広い変異がある。学名に関しても図鑑によって様様な学名が採用されており、分類上、問題のある種なのであろう。ビールス病に罹患したものでは黄色い網目状の模様ができる。
和名はヒヨドリの鳴く頃に咲くからであるという。同じ属であり、秋の七草の一つであるフジバカマは中国原産の帰化植物であるとされ、河原などに生育しているが、ごく少ない。フジバカマが移入されたのは、芳香や薬効があるためであるというが、身近な植物であるべき秋の七草としては、ヒヨドリバナのほうがふさわしいのではないかと思う。
花はいくつかが集まって小さな頭状花序を形成している。1つの花のめしべの先端は2つに分かれているので、1つの頭状花序は3つから4つの花から出来ていることになる(上の写真)。このような頭状花序がたくさん集まって、全体的に散房状の花序を形成しているわけである。