キビシロタンポポ Taraxacum hideoi (キク科 タンポポ属)
昔、タンポポの分布調査を行った時から淡く黄色いシロバナタンポポがあることが気になっていた。図鑑に載っていないので、長らくさわらないことにしていた。キビシロタンポポは岡山県と広島県東部から分布の報告があり、岡山県の中・南部では比較的普通であるとされている。
シロバナタンポポも中心部が黄色味を帯びるが、キビシロタンポポはより黄色が濃い。葉は地面に広がってあまり立たず、花茎は短くて10〜20cm。この点はシロバナタンポポが葉が地面から立ち上がる傾向があり、花茎が30cm以上にまで伸びる傾向がある点とは異なっている。タンポポの仲間は総苞の外片が反り返るかどうかが同定のポイントの1つになるが、キビシロタンポポでは反り返らず、シロバナタンポポではやや反り返る点でも異なっている。種子の色はキビシロタンポポの方が、色濃く、黒褐色である。
よく似た種にウスギタンポポというのがあって混乱するが、ウスギタンポポは東北地方に分布する。