ヒロハヒルガオ Calystegia sepium (L.) R. Br. (ヒルガオ科 ヒルガオ属)
 ヒロハヒルガオは北半球のヨーロッパ、アジア、北西アフリカ、北アメリカ、南半球のオーストラリア、南米のアルゼンチンなどに広く分布するツル植物。検索すると日本では北海道でのヒットが多い。冷温帯の植物なのであろう。高さ数mになり、葉は長さ5〜10cm、幅3〜7cmで矢じり形。花は晩春から夏の終わりまで咲き、直径は3〜7cm、花色は白(から青ざめた桃色)。基本種の他、7亜種が報告されているが、区別点はかならずしも明瞭ではないらしい。ここに掲載したものはスイスの低地で撮影したものであり、基本種である。ヒロハヒルガオは美しい白い花を咲かせるものの、旺盛な成長力で低木に巻きつくなど有害な雑草でもある。種子は30年以上も発芽能力を維持し、数メートルもの地下茎で繁殖するので、根絶は困難であるとの事。
 英語名はgreater bindweed, bearbind, hedge bindweed, hedge convolvulus, hooded bindweed, old man's nightcap, wild morning gloryなどたくさんある。里の藪や道路脇などに普通な植物であるためであろう。bindweedはbind(括る、縛る)+weed(雑草)であり、ヒルガオの仲間を意味する。convolvulusもヒルガオ属を意味し、morning gloryは、もちろんアサガオである。この中ではおじいさんのナイトキャップが面白い。ヨーロッパでは、この花からフードやナイトキャップを連想するらしい。

ヒロハヒルガオの萼片ヒロハヒルガオの苞葉ヒロハヒルガオの葉(名前よりも細長い)
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