アレチウリ Sicyos angulatus L. (ウリ科 アレチウリ属)



 アレチウリは大型のツル植物で1年生草本。北米原産の帰化植物で、青森県以南の日本各地で広がりつつある。放棄畑や牧場、河原、湖岸などの肥沃な場所で急速に成長して繁茂する。葉や茎は著しくざらつき、果実には鋭いとげがある。密生して生育しているので調査の際には出会いたくない植物の一つである。冬になると枯死するが、茎は枯れて樹木から垂れ下がり、破れたガーゼが掛かっている状況となって見苦しい。この季節になっても、さわると痛いのはそのままである。

 最近、琵琶湖の湖岸などで密生して猛威を振るっているとのニュースがあった。その直後、アレチウリは窒素を吸収する能力が高いとの指摘もあり、窒素除去へ貢献する可能性があるとの指摘もあった。確かにアレチウリの生育地は牧場で糞尿が捨てられているような場所や、放棄された畑など、窒素分がたくさんあるような立地である。急速な成長は、富栄養な条件に支えられており、アレチウリを収穫できれば、窒素除去には貢献できるであろう。しかしながら、もう少し収穫作業がやりやすく、親しみのある植物でやりたいものである。

アレチウリ(全景)

アレチウリ(雄花)

 アレチウリの雄花のおしべは合着して1つになっており、まるでめしべのように見える(写真上)
果実は棘がたくさんついており、機雷のようである(写真下)。
触ると痛く、棘は細くてしなやかなので、服を貫いて思わぬところに刺さったりする。

アレチウリ(果実)

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