オヤマリンドウ Gentiana makinoi (リンドウ科 リンドウ属) |
オヤマリンドウは中部地方以北のブナ帯上部から亜高山帯の草原に生育する多年草。湿原の周辺草地にもよく生育しており、湿った場所に生育するような印象があるが、おそらく日照条件のよい場所ならば乾湿にはあまり影響されないのではないかと思う。 オヤマリンドウは8月から9月に花を咲かせるが、実際にはほとんど開かないので、咲いたといえるかどうか・・・花を付けるという表現のほうが適切か。湿原の調査で、オヤマリンドウとエゾリンドウの違いを何度も教えていただいたことがあるが、どうも自信がない。花が開くのがエゾリンドウで、ほとんど開かないのがオヤマリンドウというわけだが、好天でなければエゾリンドウも花を開かないので、わかりにくい。エゾリンドウは茎の中部にも花をつけるというが、湿原の隣接地では多くの場合成長が不良なので、やはりわかりにくい。アルプスでみたG. purpurea も花を開かないようであり、亜高山などの厳しい環境では、そのような温室的な花冠の使い方が有利なのかもしれない。 |
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