断崖の女王 Sinningia leucotricha (イワタバコ科 シンニンギア属) |
ご近所の玄関先におもしろい形をした植物の鉢植えがあった。4枚の葉が十字架状に付いており、キリスト教圏では重宝されるのでは、と注目していたら、3枚の葉が付いたものも出てきた。持ち主に尋ねると「断崖の女王」とのこと。なんとすばらしい名前であることか!すぐにおぼえてしまった。しかし、なぜこのような和名が付いたのかは、調べ切れなかった。 原産地はブラジルのパラナ州とのこと。サンパウロの南、イグアスの滝がある州であり、亜熱帯的であって降水量は1800mm近くある。葉に密生する微毛はふさふさとして肌触りがよい。特に若葉では微毛が見事らしい。この毛は気候的な条件に対応したものではなく、名前にあるように、崖などに生育することから、地形的な乾燥に耐えるシステムであろう。ブラジリアン・エーデルワイスとも呼ばれ、白い毛が共通と言うことか。 何とも地下部がすごい。シクラメンの球根に似るが、おそらく扁平な盤状で鉢一杯に広がっている。岩礫地の崖にへばりつくためのものであろうが、貯水タンクの役割も果たしていそう。これから春に短い茎が出て先端から数枚の葉を出す。6月に茎の先端からオレンジ色の花を咲かせる。 |
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