アサザ Nymphoide peltata (Gmel.) O.Kuntze (ミツガシワ科 アサザ属)
岡山県自然保護センターのアサザ(移殖されたもの、雨で花が・・・ 2000/06/22)
岡山県自然保護センターのアサザ(花の撮影再チャレンジ、葉はかなり弱っている。 2000/07/18)
アサザは近年少なくなった水草の1つである。葉の周辺にうねっているようなきょ歯がある。黄色い花を咲かせ、水底に匍匐茎を伸ばし、節から根と葉を出して分布域を広げている。
岡山県の柳井原貯水池では改修の計画があり、環境アセスメントが行われている。その中で、保護・保全すべき種であるとして注目されている植物の1つがこのアサザである。当地に生育しているアサザは花を付けない。このような開花しない状態は、「生態的要因によるのか遺伝的要因によるかは不明である(角野,1994)」とされており、興味深い。今後、栽培実験などが必要であろう。
柳井原貯水池では、120cm程度までの深さの場所に生育している。波風が強く当たらない湾状地形の場所に群落を形成しているが(左 or 上の写真)、ゴミや糸状藻類が吹き寄せられる場所(右 or 下の写真)では生育状態が良くない。水底には肥料袋などのビニールが沈んでおり、これでは根を張ることができない。分解されない石油製品はここでも大きな問題を引き起こしている。