ガガブタ Nymphoides indica (ミツガシワ科 アサザ属) |
7月から9月にかけ、湖面に浮かぶ端正なハート型の葉、白い花は清涼感があり、酷暑あるいは残暑をやわらげてくれる。この期間、雨が降っても毎日花を咲かせてくれるので、あたりはずれが無く、期待にこたえてくれる。 ガガブタは本州以西のため池に生育する多年生の水草。長い葉柄状の茎を伸ばし、浮葉を展開する浮葉植物。葉柄に見える長い茎の上に発達する浮葉の直下に花や新しい茎が形成され、新たな葉が展開される。花は白色で、直径1.5cmほど。葉の直径は様々であるが、この画像では10cm前後であった。花は7月から9月、朝から昼過ぎまで開いており、夕方には水中に没する。 最初は水底から長い葉柄を出して浮葉を形成し、その後茎を出して葉を展開する手順を踏むので、あまり深い池では生育できない。底が泥のため池では、水位が低下すると葉の直下から根を出して定着することがある。水位が高いときには浮かんで、水位が低下すると葉の下から根を出して定着して生活できる戦略は、ため池のような水位が変動する環境に適応しているものと思う。 ガガブタは特に貴重種とはされていない。昔はもっとたくさんあったような記憶があるが、最近はヒシが繁茂するため池ばかりが目立ち、見かけることが少なくなった。極端な水位変動のある山間のため池には少なく、平野と山地が接するような、あまり水位変動が大きくないため池であり、ある程度透明度の高い中栄養のため池であるように思う。そのような池が少なくなったのかもしれない。 世界の温帯域に広く分布しており、英語名は banana plant, robust marshwort, water snowflake など。バナナは越冬芽の形がバナナのようであるとの事。robust;たくましい沼沢地草という訳になるので、繁殖力が高く、害草になっている地方もあるのであろう。少なくともルアーフィッシングには、厄介な水草であるのは間違いなかろう。snowflakeは、6つに分かれた花弁の様子が雪の結晶のようだということでしょう。小生は5弁のほうが好きですが・・・・。 |
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