キンモクセイ Osmanthus fragrans var. aurantiacus (モクセイ科 モクセイ属) |
キンモクセイは中国原産の常緑小高木樹であり、主に庭園に植栽される(金木犀)。10月に開花し、強い芳香を漂わせる。歩いているとキンモクセイが香ってくると、辺りを見回し、秋が来たことを感じる。この香りは化学的に合成され、ポピュラーな香りになってしまった。私にはこの香りに幾つかの思い出があるが、最近の学生さんは「トイレの臭い」などと表現してしまうので、台無しである。花弁は4枚、雄しべは2本。日本には雄株しか渡来していないので、種子はできない。繁殖は主に取り木。 キンモクセイの花は9月の末に咲き始め、10月のはじめが最盛期。花は葉腋にたくさん付き、橙黄色。花冠は4つに分かれ、厚みがある。おしべは2本で短く、中心部に痕跡的な柱頭がのぞく。 キンモクセイの葉は長さ6〜12cmで先はとがり、多くは全体的に裏側に少し曲がり、平坦に広がったものは少ない。通常は全縁で、時に先端部に小さな鋸歯がでる。葉の縁は、やや肥厚する。葉脈は裏に突出しており、硬い葉ではあるが、厚くはない。葉の裏面には緑の点が散在する。両面とも無毛。
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