ハナヤエムグラ Sherardia arvensis (アカネ科 ハナヤエムグラ属
 ハナヤエムグラは北海道・宮城県以西の本州、四国に分布する一年生あるいは越年性の1年草。ヨーロッパ原産の帰化植物であり、埋立地や都市の路傍、荒地などに生育する。茎は地際で枝分かれして地上を匍匐し、広がって群落を作る。断面は四角形で角が稜になっており、最初は無毛に近いが生長するにしたがって下向きの毛が多くなる。葉は4〜7枚輪生する。下部では葉は卵形で4枚輪生するが、生長するにしたがって葉は細くなり、広線形で先端は尖る。葉の表面と縁には粗毛があり、裏面には中脈上に粗毛がある。花期は4月から8月。茎の上部に、小さな尖った苞葉の間から直径2.5〜3mmの小さな花を咲かせる。花は最初はほぼ白色であるが、やがて淡い紫色になる。
 銚子市の海岸埋立地で小さな花を咲かせている植物を見つけた。ヤエムグラの仲間であることはすぐにわかったが、岡山では見かけない姿である。調べてみるとハナヤエムグラであった。撮影日は10月29日であり、本来の開花期は大きく異なっているが、ニワゼキショウも咲いている状態であり、海洋性気候であるために春に咲く植物が秋にも咲いている。芽生えてまだ十分生長していない段階での開花であり、葉の様子は丸っこくて、幼い植物体である。岡山でも分布記録があるが、最近の生育記録はないようである。
ハナヤエムグラハナヤエムグラの花;小さな苞葉の間から咲く
植物体がまだ若いので、丸い葉が目立つ広線形の葉;表面と縁に粗毛若い葉の裏面;中脈上に粗毛


種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる