キクガラクサ Ellisiophyllum pinnatum var. reptans |
岡山県中部の山を登っていると、あまり整備されていない谷沿いの山道を背丈の低い植物が覆っていた。わずかに2輪の白い花が咲いていたので腰を下ろして眺めてみた。昔見たことがあるが、名前が出てこない。調べてみるとキクガラクサであった。和名の意味は菊唐草であるという。一面に生えている様子から唐草模様を連想したのであろう。近畿・中国、四国に分布する。花は5月から6月にかけて咲くというが、撮影は9月の中ごろであった。咲残りといった状態なのであろう。少ない種であり、絶滅危惧種に指定されている。今回の生育地は、谷沿いのやや明るい立地であり、やや湿った場所である。安定していながら、明るい谷底の平坦地・・・・このような立地に安定的に、キクガラクサのような高さ数cmほどの植物が生育できるはずはない。希少であるのも仕方がないとも思えるが、どのような立地に生育するのかが得意なのか、さらに観察が必要である。 ゴマノハグサ科に分類されているが、独立のキクガラクサ科との立場もあるらしい。ゴマノハグサの仲間とは、思いにくい姿である。 |
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