トウテイラン Pseudolysimachion ornatum (ゴマノハグサ科 ルリトラノオ属
 H25年度の調査範囲に隠岐が入っていたので、楽しみにしていたのだが、台風の接近によりフェリーが欠航し、またの機会にということになった。遭いたかった植物の1つがこのトウテイラン。山陰の海岸に隔離的に分布する植物で、いくはずであった隠岐のものは有名。名前の由来は洞庭湖の水の色(藍)に由来するとの説明もある(平凡社)。そうであれば、ドウテイランとしたいところだが・・・・ トウテイランは海岸に生育する植物であり、葉の裏面は綿毛に覆われており、乾燥に対して強い抵抗力があると見える。洞庭湖の湖岸にこの植物が生育しているというわけではないのだが、実はそっくりさんが生育している可能性もある。
 学名の属名はニセオカトラノオの意味となっているが、異名(シノニム)ではオオイヌノフグリなどが属しているクワガタソウ属となっていた。中国からシベリアには、穂状の花序であるクワガタソウ属とされている植物が多数生育しており、この仲間が洞庭湖周辺にも生育しているのではないか、と思ったしだい。
 ここに掲載したものは「とっとり花回廊」のもので、秋も深まって咲き残ったものである。
花が咲き終わったとっとり花回廊のトウテイラン
トウテイラン Pseudolysimachion ornatum トウテイラン Pseudolysimachion ornatum 
葉裏面は綿毛に覆われている
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